あくまで緊急性が高いときの資金調達を目的としているため、ファクタリング利用者の方の中でも「ファクタリングをやめたい」とお考えの方も少なくありません。しかし、いきなり止めるのは資金ショートのリスクが高いです。
ファクタリングをやめたいと考えたとき、まず最初に行うべきことは現在の利用状況や財務状況を把握し、ファクタリング会社への契約終了について問題ないか契約書を確認することです。
ファクタリングは売掛債権の譲渡契約であるため、一般的な融資のような分割払いが法律上できず原則一括払いとなる性質があり、事前の計画なしにいきなりやめると急激な資金ショートを引き起こすリスクがあります。また、契約解除に伴う違約金の有無や、2社間取引か3社間取引かという契約形態の違いによっても取るべき実務手続きが大きく異なります。
そのため、まずは自社の財務と契約の現状を冷静に整理し、段階的に利用を減らしていくための正しい手順を踏みましょう。
- ファクタリングをやめたいときの事前準備がわかる
- ファクタリングをやめたいときの手順がわかる
- ファクタリングを段階的にやめる方法がわかる
ファクタリングをやめたいときに事前準備すること
ファクタリングをやめたいと思ったとき、まずはファクタリングに着手する前に事前準備を行いましょう。
財務状況の現状を分析する
ファクタリングからの脱却を目指すにあたり、最初にすべきは自社の財務状況の詳細な分析を行うことです。
資金繰りをはじめとした財務状況のデータを明確にすることで、自社の資金繰りにファクタリングがどの程度影響を与えているのかを客観的に理解し、今後の代替となる資金調達戦略を立てるための基礎データとします。
具体的には、現在の収支バランスやキャッシュフローの状況、収入と支出の流れを明確に把握し、どの時期にどの程度の資金が必要または不足しているのかを予測します。さらに、負債の状況や資産の流動性、在庫の動き、そして売掛金の回収状況についても細かく確認してください。
決算書をお持ちなら独立行政法人中小企業基盤整備機構が提供する経営事自己診断システムを活用しましょう。ご自身での経営分析に苦手意識をお持ちの方にもおすすめです。
ファクタリングが必要な原因を特定する
財務分析と並行して、なぜファクタリングに頼らざるを得なくなっているのかという根本原因を特定します。
企業が短期的な資金調達手段としてファクタリングを選択する背景には、資金繰りの悪化や急な支出の増加、顧客や売掛先からの入金が遅れることによるキャッシュフローの圧迫など、さまざまな要因が存在します。
緊急性の高いときの一時的な資金調達として活用できますが、ファクタリングへの依存は問題の根本解決にならないばかりか利益を圧迫します。
売掛金の管理体制や回収プロセス自体に問題がないか、あるいは経営戦略やビジネスモデルの収益構造自体を見直す必要があるのか、その原因を特定することが大切です。
営業活動・経費削減・キャッシュフロー改善を準備する
原因を特定したら、ファクタリングに依存しない健全な経営体質を築くための具体的な改善準備に取り組みます。
売上の安定化に向けて自社に合ったターゲット市場を明確にし、新規顧客や新規取引先の開拓を行うための営業活動を視野に入れるとともに、既存顧客との関係強化に努めます。同時に、無駄な支出を見直して固定費を削減する経費削減を進め、手元に残る現金を増やすためのキャッシュフロー改善を準備していきましょう。
見直すべき経費の具体例としては、地代家賃の減額交渉、旅費交通費や出張旅費規程の整備、水道光熱費や通信費のプラン見直し、使用頻度の低い設備やサブスクリプションサービスの見直しなどが挙げられます。
ファクタリングをやめたいときのファクタリング会社向けの手順
ファクタリングをやめたいときの5ステップをお伝えします。
契約内容を確認する
ファクタリングをやめるにあたり、最優先で行うべき実務ステップは現在利用している契約書内容の再確認です。
ファクタリングの契約書には、利用条件、手数料、契約期間、自動更新の有無、通知方法、そして契約解除に伴う違約金や損害賠償の条件などが詳細に記載されています。基本的には単発の取引が多いですが、実質的に更新前提の継続契約になっているケースや、不適切な解約手数料を請求するような条項が含まれている可能性も否定できません。
後から条件の食い違いでトラブルになるのを防ぐため、まずは書面を徹底的に読み込み、自身の契約がどのような条件になっているかを確認しましょう。
ファクタリング会社と交渉する
現在の契約内容や解約条項を正しく把握した後は、解約に向けてファクタリング会社との具体的なやり取りや交渉を行います。
爆速ペイは、進行中のファクタリングについて一括支払いいただければ解約可能です。
解約意思の伝え方に注意する
ファクタリング契約をやめたい場合、最も重要なのは意思表示の方法です。
多くの契約では、解約や取引終了の意思を「書面またはメールで通知すること」と定めています。電話のみの連絡は記録が残らず、後からファクタリング会社との認識の違いやトラブルが生じる原因になりやすいため避けてください。
通知文には、契約番号や契約日、対象となる売掛債権を明確に記載し、感情的な表現や一方的な主張は避けて、今後新たな契約を行わない意思を簡潔かつ冷静に伝えることが重要です。
爆速ペイに解約のご相談をいただく場合、必ず書面またはメールにて通知をお願いしています。LINEは文言を削除できてしまうため対応していません。
進行中の取引は完了まで進める
すでにファクタリング会社から資金が買い取られて入金されており、売掛先からの回収が残っている進行中の取引がある場合、その取引自体を途中で中止または解除することは原則としてできません。ファクタリングは売掛債権の売買契約であるため、該当する契約については最後まで履行し、業者への支払いを完全に完了させる必要があります。
支払いが未完了の状態で勝手に解約しようとすると踏み倒しとみなされ、売掛先に債権譲渡通知を送られて信用を失ったり、損害賠償請求や刑事罰の対象になったりする重大なリスクが生じます。
強引な引き留めや不適切な対応は公的機関に相談する
ファクタリングの解約の意思を伝えた際に、業者から強引な引き留めを受けたり、不安をあおるような不適切な対応をされたりした場合は、その場で判断せず速やかに第三者へ相談しましょう。一般的な契約トラブル全般について中立的な助言を受けられる窓口として消費生活センターや中小企業向け相談窓口があります。
また、違約金や損害賠償を巡るトラブルになりそうな場合や、法的な解釈が必要な場合、業者とのやり取りに強い不安を感じる場合は、弁護士や司法書士などの専門家に早期相談することが非常に有効な回避策となります。
手数料率が少ない会社に乗り換える
資金調達の手数料を安く抑えて資金繰りをより効率化したいという理由で現在の契約をやめたい場合は、手数料率の低い他の優良なファクタリング会社へ乗り換えるというステップも有効です。
2社間ファクタリングの手数料相場は10%から20%、3社間は1%から9%ですが、ファクタリングの手数料には法律による上限規制がないため業者によって大きな差があります。現在の会社の手数料が相場より高い場合、他社への乗り換えや、取引先の承諾を得て3社間取引へ変更することでコストを大幅に削減できる可能性があります。
爆速ペイは請求書の買取金額に応じて手数料8~15%に設定しています。手数料率が高くてお悩みだった事業主様からも「爆速ペイに乗り換えたからファクタリングから脱却できそう」とお喜びの声をいただきました。
| 請求書の買取金額 | 手数料率 |
|---|---|
| 10~30万円未満 | 12~15% |
| 30~50万円未満 | 10~12% |
| 50~100万円未満 | 8~10% |
ただし、同一の債権を複数の会社に売却する二重債権譲渡は犯罪行為となるため、必ず現在の取引や登記の状況を確認し、完了させてから行う必要があります。
ファクタリングをやめる
最終的に、計画に沿ってファクタリングの利用を完全に停止します。
この際、いきなり全ての利用を停止すると手元の運転資金が急激にショートするリスクがあるため、まずは手数料が最も高い取引から優先的に減少させるなど、段階的な利用減少を心掛けることが大切です。
ファクタリングの利用を徐々に減らしていく過程の中で、他の資金調達手段や代替案を並行して実施し、ファクタリングに依存しない健全な資金繰りを確立していくことで、スムーズかつ安全に脱却を完了させることができます。
ファクタリングをやめるときに考えたいこと
ファクタリングをやめるとき、ファクタリング会社への手続きや交渉以外に取り組むべきことをお伝えします。
売掛先からの入金期日の短縮を相談する
ファクタリングをやめるためには、手元のキャッシュフローを自社でコントロールできるように前もって準備する必要があります。その有効な手段の一つが、売掛先に対して売掛金の入金期日の短縮を相談、交渉することです。
売り手側にとって、入金までの期間である支払いサイトが短くなればなるほど、売上金を早期に現金化できるようになり、ファクタリングに頼らなくてもキャッシュフローがダイレクトに改善します。ただし、自社の都合だけを一方的に押し付けると関係性が悪化し、交渉が難航する可能性があります。
キャッシュフロー改善の交渉を成功させるためには、早期支払い割引を提示するなど、相手方にもメリットや対価がある取引を提案することが重要です。
売掛先が上場企業様の場合は難しいですが、多くの中小企業はキャッシュフローの相談や交渉に応じてくれます。一度話してみるとよいでしょう。
取引先に支払いサイトを交渉する
売掛先からの入金を早めてもらう準備と同時に、自社が支払う側となる取引先、つまり買掛先に対して、支払いサイトの延長を交渉することも重要な準備です。
買い手側の視点に立つと、支払いサイトが長くなるほど、代金を支払うまでの猶予期間が延びるため、その分だけ手元の現金を多く残しておくことができます。手元のキャッシュに余裕が生まれれば、ファクタリングで急に資金を調達する必要性が低くなります。
また、これら以外の支払い猶予の準備として、銀行振込の請求書を手持ちのクレジットカードで決済し、実際の口座引き落としを先延ばしにできる請求書カード払いといったサービスを一時的に活用し、ファクタリングと同じく一定の手数料はかかるものの、ファクタリングより低い手数料で買掛金の支払いを遅らせる方法も有効な選択肢となります。
金融機関の融資のリスケを交渉する
毎月の資金繰りを圧迫している大きな要因が既存の借入金の返済である場合は、金融機関へ融資のリスケ、すなわち返済条件の見直しを交渉する準備を行います。
具体的には、金融機関と交渉して返済期限の延長や月々の返済額の見直し、あるいは一定期間は利息のみの返済にするといった対応を求めていきます。リスケにより月々の返済負担が減少すれば、現金を社内により多く確保できるようになり、結果として資金繰りが安定しやすくなります。
中小企業における金融機関へのリスケの申し込みは、金融庁のデータでも98%という高い実施率が示されており、一般的な手法です。
ただし、リスケを行っている期間中は、金融機関からリスクが高い企業と見なされ、新規の融資を受けにくくなるという注意点があるため、その点を理解した上で交渉を行う必要があります。
なお、その他の資金調達の準備や代替案としては、手形割引や当座貸越、ABL、不要な資産の売却などの方法を検討し、ファクタリングから順次切り替えていくことが健全な財務への道筋です。
ファクタリングをやめたい方のよくある質問
ファクタリングをやめたい方のよくある質問にお答えします。
ファクタリングを脱却する方法はある?
計画的な手順を踏むことで、ファクタリングから完全に脱却する方法はあります。
まずは自社の財務状況を詳細に分析し、なぜファクタリングを使い続けているのかという根本原因、たとえば入金遅れやビジネスモデルの課題などを特定してください。その上で、いきなり全取引を止めるのではなく、段階的に利用を減少させることが大切です。
並行して、固定費の見直しやITツールによる業務効率化といった経費削減を徹底し、新規取引先の開拓で売上を安定させ、融資や補助金、支払いサイトの交渉などの代替手段を用意することで、ファクタリングに依存しない健全な財務体質へと改善していくことができます。
ファクタリングの支払いを放置するとどうなる?
2社間ファクタリングなどで、ファクタリング会社への支払いを放置したり、使い込んだりして未払いのままにすることは極めて危険です。法律上、ファクタリングの支払いは分割払いができず、一括払いが原則です。
もし支払いを放置すると、業者から支払いへの強いプレッシャーをかけられるだけでなく、取引先や売掛先に対して債権譲渡通知を送付される可能性が高くなります。これにより、ファクタリングを利用している事実や未払い、使い込みの事実が売掛先に公になってしまうため、自社の信用は致命的に失墜し、今後のビジネス関係に悪影響を及ぼします。さらに、債務不履行による損害賠償請求をされるだけでなく、最悪の場合は詐欺罪や横領罪などの刑事罰の対象となるリスクもあるため、支払いの放置は絶対に避けてください。
また、無事に支払いを完了して解約できた場合でも、取引時に行った債権譲渡登記が残ったままだと、他社を利用する際に二重譲渡の疑いをかけられたり、履歴から利用がバレたりするリスクがあります。解約や終了後は、司法書士などを通じて債権譲渡登記の抹消手続きを完了させることも忘れないでください。









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